舞城王太郎

阿修羅ガールを読む。
うーん、舞城さんはこれが初見。読みやすかった。まあ、女子高生の喋り文章だし読むのに難しいわけがない。その上ちゃんと女子高生言葉らしかった。
面白いかは微妙というか、あんまりな構成だった。話としては第一部で終わってるし。


主人公の女子高生が好きでもない男とセックスして、顔射されそうになって、ケリ入れて逃げてきて、自己嫌悪になりつつ好きな男の子とを考えたり、なんで好きになったか確認したり、愛ってになとか考える。
次の日学校に行きたくないが行かないとやっぱ勝手な噂されるし行ったら、いきなりトイレでシメられそうになって、先手を打ってリーダーの美人の顔を膝で壊してたら好きな男に助けられる。シメられそうになった原因は、昨日蹴った好きでもない男が行方不明で、足の小指を送りつけられて脅迫されたからだった。主人公が関係してると思われてシメられたらしい。
その頃はグルグル魔人とか言うのが三つ子を殺してその犯人が厨房らしいって言うんで、厨房狩りが起きてたんだけど、小指誘拐事件で狩りがエスカレート、好きな男に恐いから家まで来てと頼んだら来てくれることになって、来たと思って玄関に出たら、顔を潰してやった美人が金槌持って立ってた。
って感じで、あとは死にかけた主人公の地獄巡りみたいな話が三話続いて、最後はグルグル魔人の犯人に取憑いて誰だかわかって目が覚めましたみたいな。


特にすごいってことはなかったんだけど、途中で、三つ子の子供を殺された夫婦が出てきて、いきなり公園で欲情してセックスしはじめるのはすごかった。
公園でするって言うのはわかんないけど、人間て悲しいんだなあというか、自分の子供が殺されてしまったということを、性行為の経緯や、欲情の原因に転化できるというか、文学的テーマで、自分はなんだとか、自分はなぜ生まれてきたか、みたいな表現や思索は腐るほどしてるけど、それは本人の問題というか、個人の問題で、その前に、自分はなぜ生まれたかなんて悩んでるその前には、必ず、誰か男と女がお○○こしたわけじゃん。
観念的に、好きあった男と女はセックスするもんだ、みたいに捕らえていたり、その中で、そんなつもりはなかったんだけど出来ちゃったから生むことになって、そう言うわけであんたはここにいるとか、あの日父ちゃんがお酒飲んで来なければ、みたいな、要らないんだけど出来ちまったから、なんてことか、普通に、若い男女はセックスして、自然に子供作るもんだ、みたいなありきたりの事しか考えていなかったけど、実際の半数以上は、そこで書かれたみたいに、若い男女や、酒の上でみたいな事じゃなくて、オッサンとオバハンが激しい欲情に流されて、グチュグチュ、アウアウトドみたいに興奮して本能的にセックスして人間が生まれてくるんだなと思った。


文学は、自分はなんで生まれてきたんだなんて役に立たない悩む描写より、自分のおとんとおかんの性描写を書き記して、こうして出来たんだと見せつけた方がすっと解答になるのかもなんて思った。
ナイーブなシンジくんとかな。グチグチ欝ッてるガキは、ゲンドウと母親が発情してお○○こしたから生まれたんだと現実をぶつけろと。とか、あまりそういう趣向で性行為を扱った手法を読んだことなかったから斬新だった。
村上春樹とか綺麗すぎだし!