KURAU Phantom Memory

maspro2004-07-02

二回目。
寝ていたときに出現したもう一人の対。演出上俯瞰からの描写を避けていた前回、改めて離れた場所から出現の様子を判りやすく描写するかと思ったらそのまま服まで着て受け入れた感じで表現を消去されてて観客的に混乱しないかな?と思った。後々の会話的には判るけど。


特別驚いたり、事態が混乱することなく、そして感慨もあまりなく、新たな存在にクリスマスと名付けて共同生活をすることになり、お金のために仕事をする。


クリスマスのことで危険な仕事を避けるようになり、金持ちの警護の仕事を選ぶ。お金のための政略結婚で、婚約者が救いを求めて爆弾をしかける。(て動機と目的が結びついているのかイマイチ釈然としないけど)そのやり取りで漠然とお金のこととか出たりするけれど、そんなに筋が通っているわけでもなかったり。


家へ帰るとクリスマスが本を見て料理を作ってた。特に無知とか無垢じゃなくて、クラウから継承した理性とか品性はあるようだ。


父親との別居はクラウのことを隠すためらしいことが明かされ、クラウは過去に、行き違いで父親の腕を奪ってしまった事があって、その出来事への後悔を初めてクリスマスに告白する。
クラウのわだかまりや、クリスマスの誕生によってクラウが救われたという事なんだけど、理屈では理解出来るけれど、急すぎて心を打つエピソードにはなっていなかった。


能力はないクリスマスは、能力があったら追われるとか、そんな力で他人を不幸にしてしまったクラウを知って、力は欲しくないと思うが、クラウを元気付けるために、力があったらいいなと強がる。
考えるとそういう事なんだけど、色々と複雑な気持ちを詰め込めすぎてすっきりしない気持ちだった。とりあえず、クラウに気を使ったクリスマスのところが良かった。


全般的には、作り手が想定して苦労して想像した世界とかを物語を通して丹念に観客に開示していく物語はうまく機能すれば好きなので期待感を持って見てる。
今のところは意欲が空回りすぎというか、父親への思いとか、クリスマスへのこととか、一度にやろうとして、そんなに急がなくてもと感じたり。父の腕を奪ったことへの屈託とかは今回じゃなくても、とかね。