ローゼンメイデン

うーんと、人の感想っていうのはさまざまで、だからこそ面白いと思うんだけど、どこか書かなくても伝わっちゃうと思うけど、うたかたが大絶賛で、ローゼンは普通の評価か、とかあったり。


感想サイト全体では、高評価、今期ナンバーワンとかいろいろ。
つうか、自分的には、ローゼンは大絶賛、たまたま趣味に合うというか、人形好きとか、ミントで鍛えた中の人が、高慢ちきなお人形さんを好演していてその効果が絶大なだけで、そんな高評価されるもんじゃないんじゃないかと思ってた。


そもそもそういう無条件に好印象を差し引いて考えたら、人形たちの誕生経緯、存在理由、アリスゲームの意味とか論理的な部分はグダグタ、喋る人形が突然現れたのになんの疑問もなく受け入れられたり、どうして自分の所に来たとか、なんのために自分に関わるのか、バラの契約ってなんだよ、とか、疑問にも思わず生活が進んでいくところとか、都合良くて全然ダメダメな自己満足性が高いはずの物語なのに批評されることもなく受け入れられて、大絶賛とは何事よ?


つーか、案外気に入られていた(作品の不備を指摘されずに評価されるのは愛顧されている証拠だと思う)のにビックリ。


12回の尺的にストーリーのスケールがあっているとか、初めからやりたいことが判っていて明快に見られたのが昨今にない作品とか(やりたいことってナニよ、と整理すると、第一に物語の意欲としては、とにかく小生意気な真紅が可愛く見えること、そのためにすべてが機能してる、アリスゲームとかも単なる真紅を魅力的に見せるためだけの条件にスラ見える、とか引き小森のジュンの解放物語だったとか(真紅贔屓の自分としては、ジュンの引きこもりさえ真紅の存在に説得力を与え魅力を増す小道具にしか見えないけど)、あまり上手く扱えたとは言えないけど、親に見捨てられた水銀燈の悲しみや、完璧を求められる人形と、優等生として完璧を求められて挫折して逃避したジュンが人形を通じて、自分は完璧じゃなくてもいいんだ、受験に失敗して滑り止めに行く自分をも含めて愛せるようになったとか、


テーマが明快で、そしてちゃんと機能していたんじゃないか、とかそんなことなのかなと。


この辺、人間も物語も一緒、よくできた完璧な物語もいいけど、作り手の拙さまでを含んだ不完全な物語もその不完全さゆえに愛せたり、その不完全な部分によって評価を落したり、色々なんだと思う。


カレイドスターって、かなり完璧な良くできた物語だったかも、万人に物語の良さが理解出来る良作。だから強烈な訴求力はないのかも知れないけど、完璧な完成度の前には認めざるおえないというか。

うたかたにしても、クラウにしても、それぞれ不備なところもあって魅力的なんじゃないかと思ったりしつつ、舞-HiMEは不備はなくてかなり完璧な筋立てで評価されているような気がするんだけど、その一方、カレイドスターと破格すると完璧さが足りない、圧倒的な完璧さには不足していて、その下の計算が見えてしまう。完璧な作品はその下の計算さえ見えないほど完成されていて美しいのだ。


なんてことを思った。