ピーチガール

まったくもーさえは意地悪だナア!


さえの思惑通り、ももととーじは誤解で仲違いでももの方から絶交宣言、「やったーニャーン!」とか性悪猫ぶりを発揮するさえ。
いやほんと、わけ判らないよ。友達なんだか友達じゃないんだか、物語の展開上って言うか、どうしてそこまでジャマするんだか。とーじが好きって言うなら判るけど、そうじゃなさそうだし、単純に知り合いが恋人出来て自分より幸せになるのが気に入らない、ってのは想像すると判らないことはないけど(それでも自分はなんとも思ってない、誰かとくっつこうがなんとも思わないもん、つか良かったねと思うのが普通だけど、からかいにしても度が過ぎてるよね)


それに輪を掛けて、ももが病院でわがまま言ってそのせいでとーじの病気が悪化というデマまで流して、ももをクラスから更に孤立させるって、イタズラを越えて、ももに憎しみでも抱いてないとそこまでやんないんじゃないか、つかここのでする行為を単なる遊びと解釈できるとしたら今の子の感性は地に落ちてるよなあ。


それが現実を物語に反映させたって事になるのかも知れないけど、そうじゃないとすれば、フィクションがモラルの低下を助長させる道具になっちゃうのはどうなのかな、とか年寄り臭い事を思っちゃった。あの物語が反面教師になって人をからかう行為はよくないと思わせる事になるとは思えないし。


にしてもももは愛想つかして当然つか正解だよね。とーじは好きなはずのもものことを信用しないし言うことを信じないし、過去に誰かとチュウしたってヤキモチは焼くし、器がちっさい。
今は進んでるンでしょ、彼女のキスが自分が初めてとか、そんな貞操感を求めてたら成立しないし。
いやまあ、そういうの嫌だなって感じるのも判らないこともないけど、ああ昔そうだったんだとか、いや今でも、ももは自分と居るより、カイリと対峙してる時の方がイキイキして見えるって事で焦りとか嫉妬とか感じてるって事なのかなと解釈も出来るけど、あんまりそう言う焦りとか感じてる様子も見えないし。
ていうかとーじの内面とかあんまり表に出てない感じ。普通だったら、そういう自分の感じ方が、嫉妬だ、自分情けねえ!とか認識するだろうに、そういう事感じないとしたら、ホント無自覚に嫉妬ってかなりダメなヤツじゃないかな。

ますます孤立、さえはももを日焼けをさせてやろうと水泳大会の選手に推薦、ももは更に逆境に。


ていうか、ここでも、もものほうにも不備があったりしてとーじの事ばっかり言えないね。
とーじは黒くても関係ないって言った言葉をももは信じてないって受け入れてないからね。
口ではそう言ったけど、ほんとは黒い子は嫌いなんじゃないかな、やっぱり焼けないようにしておこうとか、もも自身が考えてるとかなら判るけど。
つかそれ以前に、絶交したはずなんだから焼けようが白かろうが関係ないけど、つこの辺は、まだ未練があるって感じで、イイ感じだけど。


で、日焼け問題は、とーじの発言が実は好みのタイプを聞き出させた友達のウソだった、黒い子は苦手なんていってなかったってことで解決。
なんしゃそりゃー!
つか決定的に解決だけど、それはないよ、ほんとももは友達選びが下手だっていうか、ひどいよ、こういう行為をやってもイイヨネ、みんなやるよね、友達にウソ付いて困られることくらいちょっとした遊びだよね、とかいう感じに一般認識を持つ感じにしちゃっても、とか、すごいなと思った。
(少女マンガもちっとモラリストになろうよとかどうでもいいこと思ったり)


日焼けした子は苦手っていう制約がはずれて思い切り泳げることになって、ももの形勢逆転。ベックでコユキが不良の嫌がらせを活躍ではねのけたみたいな展開。


それだけで済まない本作は、このままだと大活躍でももが認められて受け入れられてヤバイと思ったさえは、差らなももを追いつめるために、女の子に、ももにいじめられてるから協力して、とももの水着を切らせようとする。
計画は不発で切れかけ程度に、頼んだ友達に逆切れでさえっていい気になってると、ちょっと印象を悪くする、さえの本性がばれてきた?とか綻びが見えたり。


ももは肩ひもが切れて、急場で補修するけど、気になって活躍できない。クラスの非難が集中、このまま非難を浴び付けないと、とサイアクの情況。
そんなときさっきの嫌がらせの時溺れかけてももに助けられた女の子が、ももに水着を貸して助けてあげる。


ちょっとずつもものことが判って、受け入れられていく話なのかな。
ってまたしても、うまく行く芽がさえに摘み取られる話なのか。


ストーリーの駆け引き的には、ほんとモラルのかけらもない物語になんだけど、惹きつけられる力はあるね。