プリンセス・プリンセス

個人的な印象の話なのであんまりまともに受取って欲しくないんだけど、この作品あんまり面白くないなあと感じていて、そのへんなんでなのかと考えてみたんだけど、


この話には感情が存在しない(存在できない)から


なんじゃないかなと思った。

感情と言えば、最も端的なのが恋愛感情なんだけど、それを取り込むと、ガチホモ話になってしまうし(それはそれで好ましいんだけど)、そのへん恋愛感情を持ち込んでいないから話として抵抗無く楽しめる、という方向性もあるようだし。
男子校物と女子校物という関係性で、マリみてを同種にすれば、マリみての中では、恋愛感情とも言えずとしても、スール同士の中で尊敬とか憧れとか他者を思う感情が物語の中に存在していて、そういう物があるからこそ話として見る価値がある、観客が心を動かされる、みたいな部分があると思うけど、プリプリにはそういう物が織り込めない、と。


恋愛感情以外の感情としては、友情とか、ライバル同士の敵対心とか(それもある意味では強い相手への尊敬の裏返しであるし)そういう文脈もあるけれど、プリプリの中には、女装者同士の友情ってわけにもいかないし、つかあることにはあるのだろうけれど、それを観客への物語のカタルシスへ昇華するのは困難だし、他校にライバルとしての姫が誕生し美しさを争い合う、なんて展開にも発展しないし。


そう言うわけで、自分は観客としてこの話をどう楽しめばいいのかとか理解出来ないんだなあと。


まだほんとに見たまんま、長年男子校だった学校に入ることになった三人の女の子の混乱と戸惑いのラブコメディだったら楽しいだろうなあとか、(その点なんだかんだいってホスト部ハルヒの存在は上手いと思う、見た目は男子でも女子ということでちゃんと感情の発生を疎外していないし)
でなければ、見たままに、女の子に見えるぐらい綺麗な男の子がアイドルデビューして、回りの妨害を受けつつトップアイドルになっていく話、とかの方がサクセスという演出で感情を伴って鑑賞できる、という見方も出来るだろうし。


今のところは、話の内容とか、物語としての価値とか、すべてを棚上げにして、絵だけという目の快楽だけで楽しむくらいしか価値をも出せないんだけど、それも、衣装とかコスチュームとかそういう面で快感を感じるほど繊細に描かれていない、というレベルに自分には見えるし、難しいところだなあと。