「牙」

なかなか興味深い展開だった。
前回はメガネ君が無意識で殺害、ギャー!って言ってシフティングしたその後、ゼット君の元に誰かがシフティングしてきたよ、という所で終わったわけだけど、ストレートに受け止めると、メガネ君?とも疑える、けどその一方、そんなに簡単には会わないだろうと、フェイクを疑うけど、当然やっぱり引っかけだったりして、じゃあ誰かというと、(実は以前ゼットくんが闘技場に飛ばされたときに会っている人物だったわけだけど)新たに物語に登場してきた人物でありつつ、物語から一時自然消滅的にフェードアウトしていたレベッカサイドの人物で、またレベッカが話しに関わってきた、と。


というようにこれはこれで、長野物語のスパンで表現される実に大河的な動きだなあと思うし、そういううねりを持ったドラマをコントロールできる才能を持った人物というのも今は限られて来ているのかなあと思ったりして、面白い物を見ているんだなあという気持ちになった。


で内容のほうはというと、失意の内に消え去ったレベッカが帰ってきたわけだけど、戦いを好まない人々に自由を掴ませようと鼓舞して、というように見えつつも、実は単純に自分を裏切った男に復讐したいだけという暗黒面にどっぷり浸っているのが話として面白い。


やっぱり長い話というのは、物語の中で、登場人物の価値観が変わったりとか、人間の変貌なんていうのが描けるのが良いし、ちゃんとそういう事を描いていると大河ドラマを見ているなあという気持ちになって良いよね。