コードギアス 反逆のルルーシュ

「騎士」


上手いね。ユーフェミアが騎士を取るとか言いだした段階で、ああスザクがユーの騎士になるんだなあと誰でもわかるなんだけど、その辺素直に運んだら面白くないわけで、ルルがナナリーのナイトにスザクを想定しているという形で、騎士というタイトルが、ナナリーの騎士とユーフェミアの騎士という二つの競合問題に当てはまって来るという。


んでも、それなら、スザクが、ナナリーを選ぶかユーフェミアを選ぶか、と言った葛藤にぶつかるという展開も見てみたかったんだけど、その辺の競合問題は、ランスロットパイロットがスザクだったという秘密の開示で問題が自然解決してしまって物足りなかった、というか。


まあどっちにしても、スザクはよもや、ルルがゼロと知ってはいないので、ナナリーの騎士になってくれ、と言い出したところで、ナナリーのナイトはルルがなればいい、僕はユーフェミアのナイトになる、と返されるところだろうし、または、スザクはルルにナナリーのナイトにならないつもりか、と怒るかもしれないし、どっちにしてもスザクが悩む情況にはならないんだろうけど。


一連の展開は、パズルのピースが一つ一つ当てはまっていくみたいで、上手いと言えば上手いんだけど、同時にうまく行きすぎて面白くないと言うか、三十分でバタバタと畳んで言ってしまって面白味に欠けたかなあとか。


本当ならば、スザクが友情を取るか仕事を取るかみたいな葛藤に直面する場面であったろうし、ルルからしたら、ナナリーを託せる友達だと思っていたのが、ランスロットの搭乗者で、目下の最大の敵だったわけで、ルルの失望の大きさわ考えたらもっと盛上がってもいいわけで、出来事としては物足りなかったかなあと。


まあこの後が面白くなって行くのだろうとは思うけど、と言いつつ次回は総集編みたいなんだけど。


でも本来ならば、もう少し、隠していたけど、スザクは親殺しをしていた、とか、それも十歳で、それを隠してきたんだなあとか、それは自分がこれからやろうとしている道なんだなあとか、前回の出来事をもっときちんと振り返って向き合う局面じゃなかったのかな。
よく考えると、スザクの行動理念は「死にたがり」だったわけで、それがわかった上で、ナナリーのナイトに適任とは思えないじゃん、むしろ、安心して任せられると思ってたけど、死にたがりだった判って不安って所なんじゃないかとさえ思うんだけど、逆にスザクをナイトにとか出すタイミングは、ユーフェミアとの競合の演出のためとしか思えず……。


なんて、設定に対する予測遊びの要素がなくて、むしろドラマよりの内容になると、面白味に欠ける所もあるかなあと。


つか、詰め込みすぎ、考えたらメインは藤堂奪還劇だったはずなんだけど、あと、シャーリーはなにかのメモを見つけた(記憶を取り戻す伏線?)、あとたこさんウインナー、ロイドの助手さんの思い出の人っぽい人がゼロ側に登場っぽい、とか、ネタが多くて盛り沢山ですよ。


あと、事件がなかったら銃殺刑の執行者に選ばれたスザク君はどうなってたかとか、藤堂も引き入れて、万事思い通りに進んでいた計画が頓挫した絶望感とか、見られなかった展開のことも、詰め込みすぎで痛し痒しというところがなんとも。