コードギアス 反逆のルルーシュ

いや、良かったですね。「キュウシュウ 戦役」なんて愛想のないサブタイなんで進展に大した期待もなく見てたんですが、予想以上に盛上がる内容で、良かったなあと、感慨ひとしおですよ。


まったくもって、コードギアスとは無縁っぽい、直球な愛の物語で、恥ずかしくなってしまうデスヨ。


一つには、スザクのユフィーの出来事。
元々からスザク君には、生い立ちから考えて、自己否定な部分はあることは読みとれるんですが、今回、ユフィーがお飾りの副司令という立場から、自分も疎外されていると言うことを前々から感じてはいたけれど、決定的な出来事があって、自分に対して自己否定的な気持ちになって、それがスザクと共通すること、自分とスザクは似たもの同士でそれゆえに惹かれあっていたのだと、自分の恋愛は運命的な物だったと確信するところとか、ドラマチックな恋愛話に進展していて、良かったです。


確かに恋という物には、そう言う運命的な出会いだった、とか、確信できるような出来事があれば素晴しいことだし。


まあ、あえて言うなら、今回のユフィーの自己否定の気持ちというのが突然すぎて唐突な感じだったので、二、三週前からきちんとエサを撒いてから発動していればより感心したんですけれどね。


その事ユフィーが気づくきっかけになったのがニーナとの対面っていうのは、上手いよね、感心した。確かにニーナを見ていると自分に自信がないとか、自己否定の気持ちとかに気づかされる良い役回りだと思う。


皇女殿下にハァハァしちゃうキャラなんで、出会ったらどんな悲劇が起こるのか、とかドキドキしてたんですが、こういう使われ方だったとは、このエピソード、当初から予定されてたのだとしたらー、改めてスタッフスゲエ、とか思うね。


とはいえ、その後の展開の方は、痛し痒しというか、微妙なところ。
ユフィーが「私を好きになりなさい」みたいな始まりは、もう、それは以前、ルルがスザクにギアスを使って言うセリフじゃなかったのか、とか思っちゃうようなことを言いだして、そこはかとなく可笑しいかったんだけど、


それを受けての展開、ユフィーの申し出を肯定しながらも、自爆しちゃおうみたいな選択は「それじゃユフィー真意を汲み取ってないよなあ。やっぱり死にたがりグセは改まっていないじゃん」とか受け取れちゃうんだよね、それこそユフィーのためにも死の選択以外を選ぶ、降伏してでも生きるという道を選択しなきゃいけないところなんだけど。


その辺、きっと作り手も、理解していながらも、やっぱり、死のうとして、またしてもルルのギアスの命令が生きていて死ねない、という描写をしたかったんだろうねえ、そのためには論理的にも破綻していても、やっぱりああいう展開を見せたかったんだろうなあと。


ユフィーの発言、あなたは自分を嫌いでも、私はあなたのことが好き、みたいな、要するに、世界中の誰もが自分を嫌っても、たった一人でも絶対に嫌わないで受け入れてくれる存在さえ見つかれば、どれほど幸せなことか、みたいな、愛の本質みたいなくだりになっていて、良かったなあと。


そしてその後は、ルルとスザクの共同戦線。ここもまた、もう一つの愛デスナ。
いやあ、この辺は、新参のユフィーとの愛情話より、歴史が深いだけにもう盛上がることこの上なしというか、めちゃめちゃにラブ臭を発してましたナ。


それにしても、エナジフィラーって、あんな小さな物なら、予備に何個化持って行けよ、ってな気持ちもしなくはないのですが、その辺は、一個小さな箱を渡すとか、受取るとか、そうした行為に意味を持たせるという、具象的な形として、論理的じゃないのだけれど、ああいう礼式を取ったんだろうなあとは思うのですが。


そうじゃなくて、ガウェインとエネルギーパイプでも直結してエネルギを分け合うとかでも成立したんじゃないかとも思ったりするんだけど、まあその辺はどうでもよく。


にしても、計画の立案者のシュナイゼルの目論見は、当初からこの計画は結果的にスザクの自爆に終わる、みたいなことを読んでいたんじゃないのかなー?と思うんだけど、そうすると、ロイドの作戦に対する構えが気楽すぎるっていうか、成功する簡単な作戦だという立場がちょっと矛盾してるよなーとも思ったりするんだけど、まあいろいろラブ臭を嗅げて楽しかったので、良しとしますデスヨ。