vermilion::text F448 構成中

少年は階段を駆け下りた。夢にまで見たチャンス、学校もずる休みして、手に入れた絶好の機会逃すわけにはいかない。
99階に降りたった。紅い見事な絨毯。豪華な造りの階層。そして噂の転送機。ついこのあいだ謎の旅人が狂える門番をなだめ、数百年の悲願を達成した。
今はまだ研究用に公開されていないが、9日だけは一般に公開される。こっそり親に隠れて整理券も手にしていた。
行き先は念願の店。今一番の話題の店だった。
行き先を待つ人の列に並び順番を待った。人の列は順々にはけていき、すぐに少年の番になった。監視員に整理券を渡す。
「どうぞよい旅を」監視人は整理券を確かめて言う。
少年は転送機に乗り込んだ。
ボタンの前に立ち、番号をパンチする。
4、4、8。
448階。
ドアが閉まり、そして開くと、448階にいた。少年は恐る恐る転送機の箱を出る。
目の前に通称448の店があった。噂通りのオレンジ色の明るい看板が見える。
店内に入ってみた。
店内は混雑し、賑わって座れそうもない。
店内を見回すと、布が掛かっていて、150ペリカオフと書いてあった。
なんて言うことだ、こんな日に。
少年は思った150ペリカオフでぐらいで自分の憧れの448の店を混雑させないで欲しい、やっとチャンスが回ってきたんだ。普段はこんなに混んでいないだろうに。
親子連れの客も来ていた、一家四人で楽しそうに会話をしている。
父親はスベシャルセット頼んじゃうよと子供と楽しそうにしている。
少年はなんだか焦った心地になった。
ポケットの中に手を差し込み、100と50ペリカ硬貨を握りしめ、親子連れに投げつけて強引に席を取ってやりたいとさえ思った。
噂に聞いていた448の店はこんな家族的な場所じゃないはずだ。
馬蹄形のカウンターで向き合った客といつ決闘が始まってもおかしくない
勝つか負けるかそういう緊張感の漂う店のはずだった。家族や女は居ない店だった。
ようやく席が空き、少年は席に着くと、隣に座った客が、スペシャルソーストッピングとか言いだした。
少年は怒りに吐き気さえ覚えた。
ソーストッピングなんて今時誰も使わないよ。
得意げな顔して何が、ソーストッピングで、だ。
お前は本当にソーストッピングを食いたいのかと問いたいと思った。問い詰めたい。小1ドライタイム問い詰めたい。
貴様は、ソーストッピングって言いたいだけなのじゃないかと。
448通の少年の兄から言わせてもらえば今、448通の間での最新流行はやっぱり、マウンテン、これだね。
マウンテンスパークダイナミック。これが通の頼み方。
スパークダイナミックってのはスパークが多めに入ってる。そん代わりライトが少なめ。これ。
で、それにマウンテンバースト。これ最強。
しかしこれを頼むと次から店員にマークされるという危険も伴う、ツインブレードのソード。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前らド素人は、牛鮭定食でも食ってなさいってこった。
2003/07/06
後書き代わり、いや、何行目で気が付くかと思って。
448でよ4し4のや8とか気が付いたらすごい。