D・N・ANGEL

これまた素晴しかったです。影から落ちた、原田姉。
足をくじいて、大助に頼ろうとせず隠そうとするところの心境がカワイイ。そしてその時の表情とか、照れ、戸惑い、恥じらい、素晴しい作画の演出の連続。
我慢しないで、おぶるからと、原田姉を、おんぶしようと提案する大助。これまたその時の抵抗する原田姉の可愛いことと言ったら!
おとなしくおぶさることになり、崖を昇るところの作画の気合いの入り方。ジャマになった大助のリックを、手に持ったり、崖に昇るときは無理に担いだりと、ちゃんと考えて書いているし、人間を背負って昇る、大助の手足の力の入り方の表現とか、途中で重くて、背負い直すところとか、実に丁寧に描かれていてリアリティを感じるので、見ていても、ああ、いいなあとかモヤモヤさせられてしまう。内容とか作為だけじゃないんだよね、そういう表現でリアリティーを感じさせるって方法もあるんだ。観客は丁寧な動きによって、胸の高まりとか、相手の身体の温かさとか、髪の香りとか、汗のにおいとか、色々と伝えられないことを喚起させられるのだ。
そしてなんとか、崖を昇り、一息ついたところで急な稲妻に、しがみつく原田姉。ああいいなあ。
原田妹もようやく合流し、なんとか宿舎へ帰る。
その後は、よくある感じの少女漫画的展開。原田妹が具合を悪くして、友だちが大助に気を利かせてクスリを持って行かせて、原田姉に見つかりそうになって、洋服ダンスで二人で息を潜めて、でも見つかって、原田姉は誤解して走り去る。
大助が追いかけて、告白。
「いつの間にか原田さんのことが好きになって」
「なによそれ」
とか、本当に気の利かない大助の告白。
「あたしもたぶん前から大助くんのことが」と答える原田姉。
「ちゃんと名前で呼んで」
「……り、梨紅さん」
「うん」
いいなー。上手いなー。そうそうDNが大助ニワの頭文字だったのに軽い衝撃が。