十二国記

改めてこの章でやろうとしていることの整理みたいな回だった。
陽子も大変だなあと思った。間違ってるかも知れないけど、確かケイキが封じられて贋王とかが立っていたんだよね、そのことで、それを疑っていた統治者が、反乱者扱いにされているようだ。その者の処分をめぐって、大臣達は分裂しているとか、陽子に判断を迫られているとか。ひいてはこの国をどうしていくかとか、そもそも陽子は物を決めるとか自主性に欠けている部分があったし、そう言うところを焦点に話を進めていくようだ。
一方の国を追われた祥瓊のほうは、陽子に対して、自分と反対の運命をたどるものとして憎んでいくようだ。
仙人の元に使える鈴は、新しい王が日本人と知って自分を救ってくれないかと希望を持つようだ。
それぞれの思いがちゃんと一つに繋がっているんだなあとよくわかった。
ところで鈴なんだけど、随分といじめられているけれど、この場合は裏返すと、ずいぶんといじめられているとも思えるんだけれどどうだろう。普通のイジメとかは、いじめる側もいじめられる側も、そんなに立場に違いはなくて、ただ単にむかつくからいじめたりしているわけだけれど、仙人と鈴の立場は、その気になれば仙人は鈴などすぐに放り出せる立場にいるけれど、いじめるけれど捨てずにいるのは、ある意味大事に囲っていると言う構図で、決して本気で疎んじているわけじゃない。
だからといって納得できる物じゃないけれど、どこかしら仙人も必要としているわけだし。そのことも口添えするじーさんは心得て励ましていると思うんだけど。
とか、愛情の裏返しみたいないじめもあるんだなあとか思ったり、とはいえ世の中、例えば上司のイジメがすごくて辛いんです、なんて事態の時は、どうした物か、愛情というより、立場を利用した、嗜虐であって、愛情でもなんでもなかったりするんだろうな、なんて事を見ながら思った。