観客になにも残さない

昨日フルメタの前に、踊る大捜査線の脚本の君塚良一氏が出ていて語っていたんだけど、ヒット作は、なにも残さないことなんだそうだ。
テーマとか、観客になにかを伝えようとすると、必ずそれに賛同する人もいれば、そんなの認めないと言う反対する人もいる。メッセージ性の強い話は、半分の支持しか得られない。
ヒットしたければ、主張を抑えることだ。とか言ってた。
なるほどそれで踊る大捜査線はヒットしていて、なにも残らないクソ映画なのか。
自分はそんな物語なんか見たくもない。
その言葉は正しいけれど、長い目で見たら、ダメなんじゃないかと思う。興行的には成功するけれど、二度と省みられない。名作は何度も見直されるし、金と言うことを考えたら、傑作の方が長期的に売れていつか回収出きるような気がするのだけど。
それを思ったのが、電車で子供がすごい勢いで漫画を読み飛ばしている様子から、展開が速くて、いろいろ詰め込んで、読み捨てられる、そんな映画を作りたいと思ったからだ、というようなことを言っていた。
バカ言うんじゃない、漫画は読み捨てられるように消費されるけれど、その内容は、クソ映画が足元に及びも付かないぐらいよく練られて面白く、漫画家が身を削って作っているというのに。