ギルガメッシュ

maspro2004-02-01

なぜかギルガメッシュを見るのが楽しい、なんでなんだろう。一つには登場人物の十代青年の生活や立ち位置が現実的でリアルだと言うことがあるのかなと思う。回りの情況や設定は現実離れした物があるけれど、シェルタリングスカイとか、世界がまともな社会構造をしていないとか、登場人物達にはデュナミスとかいわゆる超能力があるけれど、必要以上にに登場人物を歪めていない。ごく普通の青年や少女たちが普通に青春を送ってる感じがして楽しい。
と言っても、普通じゃないのも事実、なんて言うか本当に現実的な十代を考えたら、その立ち位置は、親に支配されていて、学校に行っていなきゃだめ、もし学校に行ってなかったら、仕事してなきゃダメとか現実はそうなって来ちゃう、そのどちらでもなかったら、ひきこもりとかすねかじりとかパラサイトシングルとか、あんまり主人公っぽくない立ち位置になっちゃうし、結局のところ超能力があると言うことで金持ちにパトロンになってるんだけど、体面は保ってるって感じの絶妙な位置にいるのかなと思った。
じゃ話の内容、今週も二話同時だ、いいかげんな体勢してるなあっていうかスケジュールきつそう、でもすごくがんばってる、見応えのある回だった。
風祭の率いるブラッタリアに囲まれて連れ去られた竜也のその後。裸で椅子に固定されて尋問される竜也、風祭のっていうか、藤原ひろしの演技が妖しくて良い、若いって事は素晴しいね、君の身体すみずみまで見させてもらったよ、綺麗なもんじゃないか、おじさんにはうらやまし限りだ。
伯爵夫人の弁護士の力で開放される竜也。フラフラとホテルプロミネンスに戻ってくる。
風祭の口から自分が円軌道のクローンだと知らされ、伯爵夫人に問いつめる、言う必要がなかったから、知っても何も変らないでしょう、恨むならあなたの母親を恨みなさい。
伯爵の元を飛び出した竜也、今竜也に行ける場所はお姉ちゃんの元しかない。
心配して追いかける風たち。結構いい雰囲気だった。
お姉ちゃんの内では、傷ついたギルガメッシュが留守番をしていてそこへ仲間の女ギルガメッシュが迎えに来る。女の能力で傷をいやされ安らかに女の膝で眠るギルガメッシュ。買い物から戻ってきたお姉ちゃんはそれを目撃する。自分とギルガメッシュは違うんだと思い知る。
竜也が家に来ると、風祭が出てくるところだった、取込み中みたいだから帰るよと、ここの大人のクッションも上手い。
竜也は部屋に行き、姉がギルガメッシュと一緒にいたことを知る、女ギルガメッシュからなんであなた達兄弟は父親に協力しないのコピーなのにと言われる。
風祭がブラッタリアを引き連れ、攻撃してくる。うわ大変だと思ったけど、ギルガメッシュは新手が現れ、彼らの前ではブラッタリアも最強の兵士ではなかった、っていうか、ブラッタリアはこれ以降急には弱体化してた。
風たちが駆けつけ、地上でブラッタリアとギルガメッシュの戦いを繰り広げるさなか、地下に閉じこもってやり過ごす。闇の中で風に歌でも唄えと言うと、タンタンタヌキを歌い出す、呆れて笑い合うとお姉ちゃんが原曲を外国語で唄う。いい雰囲気だった。
戦いが落ち着きお姉ちゃんが外へ出る、光る空、勝ち残ったギルガメッシュと目を合わすお姉ちゃん、言葉もなく消えていくギルガメッシュ
伯爵夫人が来て風祭は手を引く、株価操作でプレッシャーを掛けてたらしい、お姉ちゃんは再び婦人の世話になることに。
なにもかも瓦礫になったビルに残った姉の部屋の風鈴と、小道具の使い方も上手かった。
二話目、竜也の夢初めてギルガメッシュと会った時のこと、お姉ちゃんがいつのまにかギルガメッシュと手を取り、自分はクローンの培養筒にいてその様子を見ている、愛し合うお姉ちゃんとギルガメッシュを見るしかない竜也。と竜也の心の不安を上手く表現した夢。
目覚めると姉はいない、探すとピアノの下で丸くなっている。竜也も横に座る。どうしてきたか尋ねる姉、父さんのこと聞きたくなってと竜也、へんなの父さんそっくりになってきたくせにと姉は言う。ちょっとビックリする竜也。昔はこうして一緒に座っていたね、竜也温かいから、父さんも温かかったと。上手いなあ。
そこへホテルの支配人が来て心配する。一緒に入ってきて、なるほど落ち着きますね、では毛布を取って参ります、あはは、可笑しい人と思ったら竜也達も姉と笑い会う、なんか見てて共感して楽しい。
変わって風祭のせっくす。と気配を感じて銃を取り出す。と風たちが自分たちの生まれを知ろうとしてやって来ていたのだった。
ここの表現が巧みだと思った。人間自分が裸の時は無防備で不安なものだ。裸のところを他人に押し入られたらオロオロするのが普通だ。でも自分が強いと感じている人間は、自分が相手より強いと思っていたらたとえ裸であろうと毅然としていられる。イサムが来ても四人に囲まれても動じない風祭の図太さとかなんか良かった。
秘密を語ろうという風祭、でCM、CM開け秘密を知って愕然とする一同、おおこれまた巧みだ。
家に戻って出会った竜也に語る形で開かされる。ヘブンズゲートの地下には特殊な細胞があり、それがシステムを汚染して、システムの暴走を引き起こした。研究者達はその研究に当たる前に万一の事故のために自分たちのクローン杯を保存していた。そのクローン杯も細胞の汚染を受けて、生まれた子供たちにはデュミナスという超能力が備わっていたと、君たちはそのクローンの子供だと。
竜也はまだ母親から生まれただけ幸せだったと。そうなんだ、風ちゃんかわいそう。

とそこへブラッタリアが襲ってくる。守る竜也達、ブラッタリアはお姉ちゃんを狙っていた。と、お姉ちゃんから強いデュミナスが。
なんで?と思っていたら、お姉ちゃんとギルガメッシュの間の子供のせいだったと。イデオンみたい。
をそう来たか、堕胎を迫る伯爵夫人と拒否するお姉ちゃんと言うところで次号。

いやほんと面白い、こんなに面白くなるとは。ウルフズレインも青春群像的でイメージは似てるけど、残念ながら総集編は多かったし、何より男ばっかで恋愛要素が取り込めなかったし、ギルガメッシュのほう面白く感じられるかな。首尾一貫して、登場人物達の行動や想いを軸として物語を構成しているところもいいし、テクノライズも評価するけど、観客の視点と作中の登場人物の環境の近さから言うと、こっちのほうが感情移入の親和性は近いし、本当に面白い。全話保存しておけばよかったかも。