ギルガメッシュ

イサムさんとか、風ちゃん達の生い立ちが語られるのかと思ってたらそれほどでもなく、伯爵夫人の研究所の思い出だった。イサム氏は真っ白い部屋で伯爵夫人と出会い、風ちゃんは牢屋。風子はもっと酷い思いをしてきたから、可哀相だぁっ!グッとまた作品に惹きつけられてしまう自分。
んでも、やっぱ退屈というのは否めないかな。
海辺のカフカを読んでるんだけど、その中に面白い記述がある。
シューベルトを例にして、退屈な音楽だと言う。
「退屈でない物は人はすぐに飽きるし、飽きない物は大体に置いて退屈な物だ」と。
なかなか面白い。飽きない=良い物、という事までは言っていないけど、映画も小説もアニメも、若いうちは退屈な物に興味は持たなくて、刺激的な面白い物に惹かれるけれど、ほんとすぐに飽きるんだよね。二三度見ればもう見なくていいと。
まあ、宮崎作品とか、バックトゥザフャーチャーとか、本当に面白い物は、三、四年に一度ぐらい見てもいいものだけど、ダイハードとか民ねーだとかはもういいよとか思っちゃう。
総じて、面白いんだかつまんないんだかわかんない方が面白い。なにか見ようかというときそういう方が選択肢になる。2001年宇宙の旅とか、タルコフスキー作品とか、ブレードランナーもいいけど、アニメだったら、天使のたまごとか、銀貨鉄道の夜とか、王立宇宙軍なんかもあまり事件性はないし退屈な部類かも、たまにはAKIRAカムイの剣もいいけどね。近作だと、lainとか灰羽連盟とかテクノライズとか安倍氏関連作品はあんまり事件じゃないし。
ただ退屈といっても、緊張感のある退屈さであって、弛緩した退屈さじゃ全然ダメなんだけどね。音とかカメラワークとか、色々と漫然と描いたり撮ったりしてる作品じゃなくて、絵が訴えかけてくるようななにかがあると。
で、そんなのを、このところのギルガメッシュには感じるので好きなのです。