うた∽かた

最終回を見たヨ。
試しの子の試しは、ジンを通して世界を見て、人間の七つの美徳は、度を超せば裏返しの七つの大罪、そんな世界、自分が死ぬか世界を滅ぼすか、二つに一つの選択。
って無茶苦茶な!


セイさんは選択できずに試しを失敗、消されそうになったのを舞夏と同じ化身の繪委が止めて、次の試しに渡すことに、みたいな事になってたような。


舞夏とか繪委は隣のお姉さんこと鏡の精の化身の一部みたいな解釈でいいのかな。舞夏が出てきた鏡が本体の精っていうか、欠けた一部がそれぞれ人の姿をしていたみたいな。


まあ一夏は初めから試しの子として生を受けて、セイも同じだった、セイが失敗して、じゃあ次の試しの子がいるから近づいて、十四才になったら試しを与えること、とかいう流れだったんだと解釈すればそれでいいのかな。


にしたって試しは滅茶苦茶だ。世界が無くなっていいを否定したら自分が死ぬしかないジャン。単に観念的な意味で、自分が死ぬイコール自分の自我や欲求を無くすことで本当に死ぬ事じゃない、そしてそれは大人になること、みたいな意味だったら悲しい、つーか大人になる、は自分を捨てることだとか言う解釈は、稚拙すぎ、若い観客にそんな風に刷り込もうとしていたらなんか愚かだなあと思う。


つか結局の所、それもよくあるお約束的な解釈とかストーリーラインというか。
物語全体にまとわりついているのが、テーマやら物語の意図とか、作り手が本気で切実な思いや情熱を持って物語と向き合っていないというか、ありそうなテーマや物語の記号を詰め込んで、甘くて生ぬるい物語を作ろうとしたって言う所かな。


とか最終的に試しの意味とか物語が描こうとしたことを思い出そうとしても心に残っていないのをそんな風に受取った。


ただ、ことごとく観客の意識を逆なでするような不愉快な出来事、というのは心に引っかかって、そう言う部分を作り手が伝えようとした、というのがうたかたに対する作り手の意図だったんだろうなというのは判る。
つかキディの時にも感じた、人の行為に対する批判的な感じとか、物語作り上の非人間的な冷たい感触みたいなあたりが、この作り手の特徴かも。


全体的な仕事、作画や少女趣味は好きなので、そういう月の光的な冷たい感触にみたされた制作動機の物語じゃなくて、太陽の光みたいな日溜まりみたいな暖かい、心温まる話を見てみたいなとおもうので、ちょっとこういう展開は、うーんとか感じた。


ってうたかた見てほのぼのと、心温まりますか、どうも見た目は暖かいけど殺伐とした荒野を眺めてる気分になっちゃったのですよ。