スターシップ・オペレーターズ

悪くないんだけどナー、っていうか、良い素材なんだけど料理法がダメって言うか。


ダメなところは、キャラが立ってない、どころかまず誰が誰かわかんない、わかんない上で色々謎めいた話していて全然わかんない。


たぶん船長役についてるのが船を買って反抗みたいな事態の先導者になっている、って事自体が伝わってないし、副官みたいな女も協力者なんだろうけど、その二人で扇動していても、その上からこの出来事の絵を描いてるヤツがいると。
その辺があらかじめ道を付けてるからちょっと無茶な展開でも上手く行ってるんだろうなと思うけど、その辺も表面的に表現されてない。


とか描写のやり方が拙い。どうしてそうなっちゃったのかわかんないけど、監督の渡部高志氏は宇宙海賊ミトの大冒険とか、ちゃんとSF魂持ってると思うし、ちゃんと手腕あると思うんだけど、なんでこうなっちゃったのかな。


あと基本的には地味な話。その辺は表現や話運びを丁寧になっても地味な話になるだろうなと思うので根本手花問題じゃないけど。面白さと地味は関係ない。地味だけど面白い話になれる素材だと思うんだけど。


そしてこの辺は難しいけど、味方、敵、両面を書かないから戦争ドラマになってない。片側の事情だけを描写することでドキュメントっぽくなってるというか、要するにブラックフォークダウンと同じ。
こんなん戦争映画じゃないみたいなのと同じで、下手な評者や手法で「見て楽しい戦争映画」にする意図はない、と。


そこは好きずきだし自分はこういうドライな表現も好きかなと。正直勝ったら向こうの船の数百人の命がなくなってる(この作品の先鋭艦は操船クルーがそんなに多くなくても動くのかな?)他者の死をまったく感じない部分も、ハイテク戦争の感触ってのはそんな感じだし、しょうがない。
なるたけ戦争がドロドロしないようにしている結果が先鋭艦による一騎打ちで結果を出そうって言う意図だし。


物語の作りがきちんと普通の王道通りの手堅い手続きでやれば、地味だけど面白い話になっていくんだろうなと思うんだけど。


1900時から戦闘開始とか、ゴールデンタイムに合わせて戦闘なんだろうけど、その辺の事情も表現してないし。