巌窟王

前回、なにか決意した様子で立上がるエデ、口車に乗せてアルベールを外宇宙に連れ出した伯爵、という続きで、果してエデはなにをするか、伯爵はなにをするかと興味を持って希望して待った今回。


エデの決意はアルベールの父の所へ選挙応援と称して舞台に上がり、アルベールの父の裏切りを糾弾する話。
正直彼がなにをしたのかわかりにくいし伝わってない所もあるけど、狼狽する父の様子から失墜した、父もうだめぼな感じが伝わる。


外宇宙に連れ出した伯爵はお伽話になぞらえて自分の過去をアルベールに語る。
と言ってもそれ自体にたいした意図があったとも思えず、単なる時間つぶし、アルベールを引っ張っている間に父を失墜させる予定でその間のきまぐれに昔話を語ったと言う印象。


とそれに対して涙を流すアルベール、まったく利用されてるのに、ウブなアルベールだなあ、ダマされてるのに。


計画は成功、アルベールを失墜した父の元に返す、そして狂気に満ちた伯爵の嬌笑、ひとしきり笑うと冷静になり復讐に向けた冷たい横顔を晒す。


と、豪華な画面で繰り広げられる復讐は見ていて楽しいな。


一方GANKUTUOの秘密を探る親友はジジイの所に行ってステキガジェットで秘密を知るみたいな。ガジェットカコイイ。


とか自分の感想はこんな感想だった。


けど
http://mag.autumn.org/Content.modf?id=20050126222704
トーノZEROさんの所の感想を読んで、今さらながら、登場人物の心理情況まで読み取ってなかった自分に気が付いた。


ついつい煌びやかな映像に陶酔して登場する人間も絵の一部に感じてしまったけど、そこにはテクスチャーで張られた装飾的な人物だけれど、ちゃんと人間的心理を持っていて、ちゃんと描かれて居るんだなと気が付いた。


今までこの話はなにをやっても予定調和というか、どんな展開もただ伯爵の奸計の上、すべては伯爵に踊らされているだけ、と捕らえていたけれど、今さらながら伯爵の計算違いって所もあったのかな。


というのもアルベールの純真さ、憎い仇、ただ失墜させたい男が居て、その子供も復讐の道具、と捕らえていたけれど、伯爵にとってアルベールはただの道具ではなくて、自分を本当に心配してくれる人間、自分の過去に涙を流してくれる親友だった。


とそれだけが伯爵の誤算で、今回もアルベールを復讐の道具として連れ出す(なのかな、連れ出した理由が今ひとつ不明、親が失脚する場面を見せたくなかった?にしては急いで父の元へ帰すのはなぜ?)けれど、時間つぶしの身の上話に涙したり。


一人になった後の嬌笑はそんな好意的なアルベールを裏切らなければいけない自分に対する苦しみなのかなと考えると奥が深いなあ、画面の派手さに幻惑されて気が付かなかったよ、と思った。


あとエデの糾弾は計画上なのかな、伯爵も了解済みなんだろうし計画通りなんだろうけど、糾弾後の後悔した様子は一体どういう意味なのか。


なにかと、アルベールとギロロはホモ臭がみたいに面白オカシク見ちゃうけど、本当は原作上では人間同士の信頼とかの要素がテーマ的にあるのかなとか。