ピーチガール

波乱はほとんど終わったというのに、まだまだなかなか楽しめる本作。


つうか、人それぞれだと思うけど、うまく行った後のベタベタで甘々な熱々ップリ、みてて嫌いじゃない。段々馴染んできて、誤解されがちな子ギャル風からイメチェンして、ていうかキャラに合わないフェミニンな感じがちぐはぐでこれはこれで可愛いの、という感じで微笑ましいというか、楽しめる。


今時キス一つで、出来る出来ないって、プラトニックすぎるかなと思うけど、ウソでもそのぐらいの身持ちの堅い物語を提供した方が良いんじゃないかな。
ちょっとぐらいストイックな方が、恋人関係ってドキドキするし、ありがたみがあるよ。


で話の方、いきなりさえがアイドル状態に。
ああ、また変な妄想しているよ、と思ったら、現実らしい。
ありえねえ展開だけど、一応ジゴローの口添えでうまく行った、と解釈しておく事にしておくよ。


これでまたさえが調子に乗って、ももに嫌がらせしはじめる展開かと思ったら、それほどでもなく、さえの自慢話にももがうらやまなくって、ちょっと面白くないって程度におとなしくなってる。
この程度で押さえておけば、ちょっと小憎らしくて可愛い程度にはおさまってるね。これ以上やると、嫌味になるっていうか、作為的すぎて嘘臭くなるし。


ももとうまく行っているとーじにちょっと嫉妬して、さえはわざと悪く言ってみせたり、それを受けてももも、とーじのことをきちんと見ている、感情に流されやすかったり、情に惑わされたり、以前は良くないところもあったけど、今はちゃんと自分のことを見てくれるとか、誰だってダメなところもある、とか、ちゃんとリアルに他人を見る視点があるのは、良い表現だなと思った。


ももはさえに、そう言うあんたはジゴローのどこが良いわけ?と返すけれど、表面上、ジゴローがなぜか入れ込んでるだけなので返す言葉が無いさえ。
買い締めで虚しい心を満たそうとするけれど、虚しさはますばかり、これはこれで、可愛いの。


結局、とーじを奪い返してやろうって考えるところが、判ってないけど。


さっそくとーじに近づくけど、さえの悪女ぶりが判ってるとーじは、さえを蛇蝎のごとく避ける、とこの辺も展開的に無理がなくて素直に良い。
今までの物語は、判っちゃいるけどダマされる、っていうか、ダマされてくれないと話が展開しないって開き直って無理な展開を繰り広げたけど、現実的に展開していてこれはこれで新鮮だった。


結局無理矢理さえが唇を奪おうとして、それをももが目撃。また誤解パターンかと思わせつつ、ももがビンタそしてキス、(とーじは)アタシのだから、って成長したなあ、昔だったら向き合わずにガッと逃げちっゃたわけだけど、ちゃんとバカバカなんでキスするのよとか、しぶとくなったなあ。


下手に都合のいい展開に持っていかずに、現実的に物語を進めてる感じが面白味があるかなと。あえて言うなら、さえにベタ惚れのジゴローがわけわかんないっていうか、彼なりにさえに惹かれた理由があるのかも知れないけど。