巌窟王

ギロロ伯爵復讐二つ完了、みたいな。


展開的には分かり切っていることなので、さして驚きもなく、というか、銀行家に対してはもっとマネーゲーム的に陥れるみたいな知能戦(貸し付けに上限無しみたいな提示)みたいなことがあるのかなみたいな事を期待していてけれど、原作の書かれた時代が時代だけに(マネーゲームなんて観念自体無いわけだし)そういう事も起こらず、まあ最後は逃げ延びようとする相手を、物理的に追いかけて、一人しか乗客が乗ってない船に接舷して乗船して対決みたいな。
ていうか、船のシートに金が隠されてたり、すべては伯爵の手の上だったって事?


触れる物がすべて金みたいななミダス王の呪いみたいなのは、そういう呪いが起こったって言うわけじゃなくて、金しかない船に取り残されて、金だけに囲まれて飢え死んでしまえ、っていう意味合いなのかなと。
というわけで復讐完了。なんか伯爵が直接手を下したのは今ひとつスマートじゃなかったというか。


判事の方のトドメ。
ここへ来てニセ貴族が、二人の子供だと繋がってくるとは思っていなかった。
つかその辺の人間関係の把握がイマイチだったり。


ああ、判事が銀行家の妻と密会して、子供が出来て捨てたと。
つことは、銀行家に近づいて母親と関係を持ったけど、近親相姦だったんだ、そしてユージェニーとは種違いの妹ということなのか。
関係からすると、銀行家に恨みがあって近づいて破局させてやるという構図かと思いきや、その妻の密会相手の判事が復讐の目的と、遠回りの関係性が面白いのかも。
みていてそれほど直感的に分る簡潔さがなくて、考えたら、よくできてるなっていう感じだけど。


伯爵にとっては、自分の復讐にとって都合のいい駒というわけじゃなくて、カバルカンティ君自身の復讐を手伝ったという形なのかな。
そう考えると、前回の逮捕も計画上は失敗じゃないというか、あれでも目的は遂げられたわけだし、計算上なのかも。


脳が腐る毒に犯された判事の最後の不協和音が気持ちよかったり、手下のアルベールによって伯爵が精神的に救済されるのを望んでるっぽかったりするところも良かったり。


あとはアルベール父だけですナ、なんかスゴイテンパッてるみたいデスけど、予告を見る限りはヤケクソになっちゃうみたいな。