BLOOD+

ベトナムで船編。


もう女子校は終りですかっ。
話の方は秘密基地までの道のりは河を船で登る、と「ああ、地獄の黙示録がやりたいんだね」とそのまんまの印象。


にしてもサッパリ楽しめない。
フィクションとしての吸血鬼部分は、手垢が付きまくっていて面白くもなんともないし、いや、そのへんは狂言回しとしてありきたりでも問題はないんだけど、その分古い物語に入れてもキャラクターさえ魅力的だったら面白さは機能するんだけど、まったくといって登場人物に感情移入出来ない作りになっていてどうしようもない。


どうなんだろう、小夜の感情の人間味のなさは、過去に殺人鬼だったっぽいとか、忘れているからとか、そういう意味でずれているのも技法だと思うけど、回りとか、肉親とかもあんまり。デビットはなに考えてるかわかんないし、小夜を大事に思ってるわけでもなさそう、昔の旧友の大事にしていた娘(という形を取っている物)とは判っているけど、そこに感情が関わってもいなさそう、自分の目的の道具にしか見なしてなさそう。


肉親の方は、弟はまだ無力すぎで自分の世界だけで手一杯っぽい、出会った少女のことと関わることで忙しいし、兄の方の扱いもおざなりな不良少年みたいにしか描けていないし、行動に賭ける意気込みとか意欲とか伝わってこないし。


話の引きは小夜が過去になにをしたか、小夜はなんなのか、と言うところなんだけど、見たところは殺人鬼、それがミスリードだった、小夜は暴力の権化じゃなかった、としても、ふーん、という程度でしかないし。小夜の自分に対する恐怖とか、あんまり描かれてないし、ただ坦々と作り手の意図通りに物語は転がってるよ、程度の作品になってる。