かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜

今回は純粋にアニメの感想にならないと思う、原作に手を出したので比較論というか、違いが、アニメも良いし、漫画も良いしと感心したこと、みたいな。


かしまし~ガール・ミーツ・ガール 1 (1)
あかほり さとる 桂 遊生丸
4840229554


かしまし~ガール・ミーツ・ガール 2 (2)
あかほり さとる 桂 遊生丸
4840231850


と原作を読んじゃいました。
あかほりだし、トランスジェンダー物っていっても軽薄な内容なんだろうなあと思ってたら意外に真面目だったので原作にまで手を出しちゃいました。


で、この手の原作付きって、原作のボリュームの方が多すぎでアニメに落し込むには原作が刈り込まれるパターンが多いんだけど、この作品は原作のボリュームが無いし、ってまだ二巻しか出てないような、なわけで、漫画にないエピソードを付け加えられていたり、と思えば、漫画には書かれている表現がアニメかでは切られていたり、と、アニメ版、漫画版と、微妙に印象が違う。


今週の話に関しては、河での告白とかが追加されている一方で、はずむがとまりが怒って避けていると言うことを気にして、でも怒ってる顔は泣き出しそうな顔だった、と、少女漫画みたいな情緒的なエピソードは排しているという。


この辺どっちが良いとか、カットしたことでアニメはダメとか言うつもりもなくて、確かにアニメにしたら声とか情感が出過ぎるから漫画版のセンチメンタルな表現は臭すぎてアニメとしてはカットしたのは正解だと思うし、絵だけの漫画版ではあのぐらいの表現をして観客の感情を揺さぶった方が正解だと思う。


というわけで、アニメかしましが気に入った人は原作を読んでみるのもいいよ、という話。


率直に言ってアニメの画力はいまいちというか、漫画の絵の方は、今回の話とか、自分の気持ちを殺して「やす菜と食べろよ」というとまりの顔とか、漫画の絵は怒りと悲しみがない交ぜになった顔が表現されていて非常によい絵だった。アニメではあんまり反映されてなかったような。


にしても、「ごまかし」が多い作品ではあるよね。はずむくんはそのまま男子だったら二股男になっちゃうんだけれど性転換で正当化される事になってるし、やす菜の態度もそのままで見ると黒いというか姑息に見えるけれど、認知症みたいな病気のせいでそういう事じゃ仕方がないかと緩和される効果になっていたり。


やす菜の状況を知らないとまりから見たら、やす菜の態度もはずむの態度も受け入れがたいように思うんだけど、そのへん観客視点からもみると特異な設定を上手く扱ってといるとおもうし、とまりから見るととまりの態度は不自然な物になってしまうし。


まあ理屈道理に行かないところが人の気持ちの面白さだけど。