吉永さん家のガーゴイル

最終回。


なんだけどらしくないというか、それなりに最後なので盛り上げてはいるんだけど、いつももそんな感じでわざとらしく不完全な感じで盛り上げてるからいつも通りで最終回という感慨が湧かなかったかな。


全体的にも、なにか象徴的な悪人を仕立てて居ないから、それを解決して物語として閉じたという感触もないし、すべて中途半端なままで、なんらかの解決という到達点もなく終了したという感じ。


まあ元々からガーくんは能力的にも役割的にも微妙だし……(笑)
敵対したら対処するだけで、敵対者を敵対行為もなく排除するまで追いつめる攻撃性もないし、このまま誰も決定的に悪いことをすることもなく続いていくんだろうなあと。つーか、今回の木の破壊行動とか、現実的に考えたらシャレになんないんじゃないかな、デパートの建設者とか、ビルが崩壊しちゃったし、損害は破産レベルなはずなんだけど、うろたえていないし、物語を受け止めている土台の方が、荒唐無稽で、全体的に物語としてお伽話だったんだよなあと。


本当は商店街の皆様を巻き込んだ地域密着型の、追いつめられた商店街がデパート対立して商店街を守る番犬との物語というお膳立てだったはずなんだけど、町内の個性的な人々みたいなものが、商店街の書き割り、つーかNPCみたいな扱いになっちゃって、商店街ストーリーになり損なった作品という印象だった。


ちゃんとそういう話運びで、街の名物集団とかが面白く描けていて、下手なハートフルもどきじゃなくて、ちゃんと見ている人の心を動かすエピソードで描けていたら、かなり評価できる名作になりえた素材だと思えたけど、路線を間違えちゃったかなあと感じるしかない作品だった。