ハチミツとクローバーⅡ

面白かった。


小樽を見ていた理花さんの事への結末を付けるような意味合いの話なんだけど。


その前にムーンリバーの話。
水面に映る月の光が月の道に見えて、という解釈。そういう考え方が元々あるのか作品オリジナルなものかよくわかんないけど(その上それがオリジナルであるのかとかどうでもいいことだけど)聞いたこともないので面白く、その上上手い発想だなあと思った。
水面の道は引き込まれるように美しいけれど歩くことは出来ないし、歩いていったらそれこそ溺死して月(死、向こう)の世界に行っちゃうよ、みたいな。品のいい着想だなあと。


あとは理花さんと真山の出来事。
誰かを送りに来ると、札幌行きの列車がホームに止まる。
その辺出来すぎだと思うけど、なんとなくわかる、どこか行きの列車とか見ると、このまま衝動的に飛び乗ったら自分の人生が変わるかなあとか、素敵なことが始まらないかなあとか。
そんの気持ちを上手く利用した表現だった。
思わず真山は理花さんの肩を抱いて電車に飛び乗ってしまう、と。
キッカケは真山の衝動だったんだけど、理花がその後を引き継いで故郷に行く事を進めるという形に。その辺の流れも自然で良かった。


はっきり言葉には表さないけれど、理花にとって故郷は亡くなった恋人が消してくれたという思い出に繋がっていて、故郷に戻ることは恋人とのこだわりを一つ解くことに繋がっていたのかなあ、故郷に行ってしまえば恋人との思い出が解消してしまうので帰ってみたいけれど帰りたくない場所だったのかなあと。


その夜理花と真山は関係を持つのだけれど、理花の中では一人で行くことを決めていて、恋人との約束を一つ一つはたしたら恋人の所に行くことしか考えてなくて真山はその事をなんとなく理解していて「一人で行くなとか、生きてください」とか色々吐露したりして、理花の宿泊地の条件がシングルからダブルに替わったり、良いドラマっぽい表現でそこはかとなく良かったです。