パンプキン・シザーズ

前回恐怖したメガネ君の不安が増大してなんだかんだで安心する話。


「伍長の存在が三課を危機に陥れるんじゃないかと心配なんだ」いやその予想はきっと的中してるから(苦笑)
たぶん伍長は恐い人じゃなかったとしても伍長が目的の周りの人はすごく恐い人ばっかりだから。とか、ランタンを灯した時の伍長は無敵状態の上に殺戮の闘争心まみれみたいだからバーサーカーモードになったら安心できないけどさ。


今回は話の中で、伍長が殺戮兵器みたいな自分に恐れと自己否定を感じていたけれど、信頼できそうな仲間が出来て、そんな怪物みたいな自分でもその自分の力を使って、平和と安定した世の中を作ろうとしている意志を見せるところが良かった。


にしても鞄屋のくだりはどうかね。いくら不況の時代でも、腕のある職人ならば一週間ぐらいの休みでクビにはしないんじゃないかな。クビにされるなら雇っておく価値がないほど腕がなかった中も知れないけど、見た感じそんなダメ人間っぽくなかったけど。じゃなきゃ長療養で隊員の目処が立たないほどだったら「ちみはもうクビだ」ぐらいのことは言うかもしれないけどさ。退職金代わりのカバンを渡すだけマシだと思ったり。


んでまた、そこをクビになっただけで死のうとしたりして、腕があるなら他に使ってくれるところも見つかるよ、じゃなきゃ自分で一人で作っても生きていけるよ、と思ったりもするんだけど、きっとこの世界の社会状況だと、このぐらいでも落ち込んで死を選びたくなるほど辛い世界なんだろうなと受け詰めておくことに。


ってかそんな些末なこと気に掛けなければいいんだけどね。見てるとなんかもっとそこの所で説得力がある条件にした方がもっと感動が素直に沸き上がってくるんだけどなあと思っちゃうだよね。


心情として、クビになって絶望しちゃった職人の気持ちとか、そんな世の中オカシイ、もっといい世界にしたいって思う伍長の気持ちとか、良い物だと思うし、その辺、世の中が悪いからクビにするんじゃという社長も酷いけど、確かに社長が悪いだけじゃなくて世界の貧困が悪いことに原因の根幹がある、と判るような説明とかも見ている人には伝わった方がいいし、その辺わかんなくっちゃ伍長がどうやってこの世を変えるのかわかんないし、その辺がきちんと描かれてないと、世の中が悪いとか、世の中を変えてやるとか、ただ上辺だけの綺麗事の話になっちゃうんだよな、とか思ったり。


職人なら手とか怪我して壊したりしたら絶望するだろうな。良い社長ならそうなっても支援するというのが立派な人間だけど、世知辛い世の中ならそうもいっていられないし、また逆に言えば、退職にするという選択も、今抱えてる職人を守る優しさとも受け止められるし(とはいえ、今働いている職人にとっては、使えなくなったらお払い箱かよ、と守られている気持ちはしないだろうけど)
現実は複雑だよねーと言うところの、そう言う複雑さなんかも出てくる話だったら作品としてもっと価値も高まるから惜しいなあとか思うんだよね。


んでも、無理矢理にでも深刻な話に持っていく展開じゃないと、そこそこ楽しく見られるので良かったし、伍長を取り巻く企みは物語的には最終的に伍長は救済されるんだろうと思って、その過程で暗いこととか辛い情況なっても、最後は救われるんだろうと思って見ていこうかなと思うんだけど、最後は策謀のためにみんな死ぬ展開だったらいやだなあ。


今回の話は、なんか伍長過去があって恐そうだけど、大丈夫信用するよ、怪物みたいなオレだったけど三課で平和な世界を作りたいんだって言ってるし、良い人だよって話だよね。でも回りはそっとしてくれないんだろうけどさ……という。