コードギアス 反逆のルルーシュ

黒 の 騎士団


前回ではコーネリアに完敗したルルーシュ、それで露呈したことはルルーシュの手駒のテロリストが使えないことと、ルルーシュ自体が彼らを駒と思っていて信頼関係なんか微塵もないこと、だと思うんだけど、それを受けてどういう展開になるか、またルルーシュはどの程度理解したかという所が興味の湧くところ。


なんだけど、色々な方向性で、ちょっとずれていた。
一つには作り手側の作り方の不手際という部分。ルルーシュが自分が失敗したことと対峙してどう考えてそれを解消するためにどう行動するかという所を書かなくちゃいけない所なんだけど、河口湖のテロ事件と重ねた事によってその辺うやむやになってしまった。
と、その辺ももしかしたら作り手が意図したことかもしれない。実際ルルの判断力はまだ稚拙で上手く解決していないから、そこを丁寧に書けばルルの稚拙さが浮き彫りになってしまうから。


一方は作中のルルーシュの中のこと。
ルルーシュは自分の実行者のテロリストが非力でまだまだ役立たずだと言うことは自覚したようだけど、まだ自分とテロリストに信頼関係を築かないと自分の目的を達成できないという事に思い至っていないみたい。
今回ルルがやったことと言えば、ただテロリストを呼びつけて、アジトを提供して、制服を作って着させる、と、それだけで人間関係が出来ると思っていたらルルはまだまだ甘いよね。
話の後半にはルル自身、武器を持たない者を守る、とか、武力のある者は我らを恐れろ、とか言ってるけれど、それだってルルが思っていることを言っているだけで、呼び寄せたテロリストと自分の理想に対して対話する態度もないし、まだ気が付いていないみたい。


そりゃ自分の身分を明かすことになるから出来ないけど、ルル自身が放逐された皇子で、妹が病弱で、妹を守るために強さのみを求めるブリタニアを打倒したい、という気持ちさえ伝われば、彼らだって正しくルルーシュの味方になるだろうに。
とその発想を利用して彼らとの信頼関係を作ろうとしないのは、今だルルが天才のエゴイズムから脱していない、と言うところなんだろう。


この辺は作り手の不手際という事ではなく、意図的にルルーシュの未熟さを表現するために、下手な選択をさせているんだろうと思うから気にする所じゃないと思うけど。


あとは、ルルーシュの提言する思想が日本国憲法の戦争の放棄に通じるところがあって考えさせられる所だね。
確かにルルーシュにはギアスの力はあるけれど、スザクの持つランスロットというような武力は所有していない無手の存在であるし、武力の放棄を歌える資格を持つ存在ではあるし、その辺も考えると面白いね。