銀河鉄道物語

実質的な本編の始まり。改めてみるとまったくおもむきが違う作品だ。
999ともやろうとしていることが違うし、ハーロックでもヤマトでもない。少年のロマンとか、海賊とドンパチでもないし、地球人の敵みたいな物語でもない。やはり青年版999が一番近いのだろうけど。
今回の出来事だけだと、列車を狙うならず者から守るという展開じゃなくて、不埒な乗客を取り締まるという感じで、どちらかというと、鉄道警察隊、はぐれ刑事旅情編、みたいだった。
物語は、鉄道隊に入った学は逆境だった。チームメイトの子安声のキャラは「父親も兄も優秀な鉄道隊、それを追いかけてやって来た夢想家の新人」と否定的な態度を取る。まあ、理由もなくきつい態度を取るのは松本零士っぽいけれど、そんなに初めからきらわんでも、と思う。無謀すぎてやがて否定するとかならともかく初めからはきついな。
隊長の方も、シミュレーションで学に厳しく当たる。シミュレーションで何度も死んでしまい、形無しだったが、知らないうちに隊長はレベルの高い設定にして学をしごいていたのだったと。
事件が起こり初出動。犯人の激昂に突入時間を無視して飛び込んでしまう学。仲間の一人は無謀なヤツだと口にしながらも認める様子。小安声は、チームワークを守れと学を殴る。こういう展開は、いかにも松本節だし。
とりあえず、作画は、高価そうな、拝みたいような上質の絵を、上手く使っている感じ。ちゃんと松本絵を掛けるベテランを起用して、滴るような絵で悟られないように紙芝居をするところはして、作画レベルを拡散させずに保っている感じだった。