ローゼンメイデン

最終回。
終わった終わった、非常に良かった。12話で一つのエピソードの始まりから終わりまでという感じで、一枚の絵を見せてもらった感じ。


全体的に物語としては真紅の話と言うより水銀燈の囚われから解放というか消滅という流れで形作られてたけど、それはそれでいいんじゃないかと。
正直、水銀燈のキャラというか位置付けというか、つり目キャラてきには魅力的だったし。


ジュンの夢の中で、真紅と水銀燈の戦い、助けに来たのり、やり取りの中で、生きることは戦うこと、困難と向き合うことを学んで、真紅の力になろうと精神的に成長したジュン。


腕を取られたことで気丈に振舞っていたけれど悲しむ真紅。
人形の価値観にとっては自己の完璧性の優先度が高くて、痛いとか死ぬとかじゃないけど、身体を損なったということは死んでしまう事と同様に辛いことなんだろう。これが後の水銀燈の心境を理解する鍵にもなるし。


ジュンは真紅を守るといって、腕を取り戻しに行く、水銀燈がジャマをしに来、ジュンのトラウマを攻撃する。記憶の沼に沈みそうになるけれど、真紅から立ち向かうことを学んだジュンは浮上。
真紅が来てジュンの能力で腕が直る。


人形を直せるのはローゼン以外にいないはずなのにジュンにもその能力があったよ、みたいな。


ジャンクにこだわってた水銀燈の正体はローゼンが作りかけで居なくなってしまって未完成な人形だから。
私はジャンクじゃないと言いながら崩れていく水銀燈


なかなか難しいところ。ジュンの能力だったら直すとかいう水銀燈の救済という展開もとれたかもしれないけれど、物語は水銀燈は滅びるという展開を選択した。
助かって丸く収まるのも安直だしね、こういう展開もありかな。生まれ変わり的な萌芽もあってもよかったかも知れないけど。(いつか直してやるからとか身体を大事に仕舞ってあげるとか)


そして真紅との別れ。
うわぁ、ちゃんと物語として閉じるんだ。
目覚めて指輪がなくなり真紅が旅立った事を知る。一人はジュンは外に出て行く、立ち直るのも近いだろう。


と帰ってくると部屋に!みたいな。


綺麗に収まってたと思う。個人的に物語の雰囲気も畳み方も大満足。
やりたいことがハッキリしていて、とにかく真紅様を魅力的に見せる、ってことなんじゃないかな、特別ジュンの解放とかはテーマじゃなくて単なる物語のスパイス、なにがなんでも、綺麗で高貴な真紅というお人形を言動から行動から声から容姿から、すべてを使って魅力的に見せるための物語って感じで大成功なんじゃないかと。


特段人形に思い入れとか感じなかったり、真紅みたいなキャラが好みじゃなかったら、ただそれだけのどうってことない話だろうというのも想像できるし、人それぞれ。


物語上の敵役の水銀燈の動機みたいなのが最後まで釈然としていなかったけど、明かされてみれば正統な悪の論理通りで説得力があったりして感心した。
近頃の物語は現実世界で悪や悪人がわかりにくいのと同様に、悪人や悪が作りにくくなってるけど、きっちり判りやすい悪人像で良かった。
悪に関しては、エーリッヒ・フロムが「悪について」と言う哲学書で、悪とはどうして発生するかとか、なぜ悪人は生まれるか、みたいな本があって、ナチの成立の仕組みとか、色々と悪の理屈みたいなことが書かれてるんだけど、その中の愛情の不足による渇望から生じる悪、みたいな感じで、正統だったなーと。


とはいえ悪はカッコワルイというか、正しくは正義とか悪なんてなくて、ただ勝った方が正義なだけだし、悪というのは初めから歪んでいたり偏狭だからどんどん悪い方へ流れたり、弱点が多いから悪であって、その行為を貫くには内部矛盾があってだからこそ敗北する運命なんだろうとは思うけど。


そう言う点でも、作り手に見捨てられたからって真紅を攻撃対象にする事が間違ってて、逆恨みする暇に、居なくなった作り手の理由とかから作り手を捜すべき(っーか死んだって事なんだろうけど)または作り手以外の、人形を作れたり直せたりする人を見つけるべきで、方向性誤っちゃってるんだなーと、間違っちゃったために悪になったみたいな、それはそれで正統な悪の事情で面白味があったり、悪の美学やら滅びの美学っぽくて水銀燈は魅力的だった。


もう少し水銀燈の悪さとか間違ってる事でどんどん悪い方に行ってる哀れさなんかも描写されてたら水銀燈ももっと魅力的に見えたろうに、とかそう言うところは残念だった。


とはいえ、一つの物語としての完成度とか満足度はかなり高かった。DVD買いそう、でも二話で4000円とかちょっと高いカモ。


で余談だけど、テレビ局でアニメの内容をどうこうするのはナンセンスだけど、なんかいかにもTBSっぽかった、ぽくないかなと。
TBSっていうとウルトラマンとか特撮ばっかって印象があるけど、っていうかTBSでアニメだったら日本むかし話じゃんっていうか、その一方で、たまにやるアニメは結構通っぽいって言うか、マニアックっぽいって言うか特殊な趣味っぽいような。
秋葉原電脳組とかもTBSだったなあとか、ダンクーガってTBSじゃなかったっけ?とかマクロスってTBSだった、近作だとちょびっツとかなるたるとか、変に趣味的な作品が多くない?
人を選ぶけど、はまれば強力みたいな作品とかTBSのアニメっぽいんじゃないかな?とか。


日テレのアニメは、ルパンとかキャッツアイとか、一度受けるとしつこいっていうか、そんなに挑戦的な作品って少ないような。コナンとか美味しいぼとか、しつこいやら無難な内容やらて感じ。


テレ朝はどらえもんとかクレしんとかあたしんちとかファミリー路線と、本来サンライズのお得意先っぽかったけど今はやってないし、伝統的って言えば、日曜朝の女児シリーズはいまだに健在だなとか。


フジはマジンガーからずっと、アニメは子供のためみたいなていうかいざ軌道に乗るとドラゴンボールみたいにしつこいっていうか、なんか局ごとに特色があるような。


なんて事を思ってたら来週からはああっ女神様ですかっ、逮捕しちゃうぞを延々やってたTBS的には伝家の宝刀を持ってきたみたいな。って女神様はキーワードになってないのですかっ。ああっ女神様っが正式名称ですかっ