舞-HiME

ラス前。感想は今週のみより来週の結末を見てからむ方が適切っていうか、今週の状態だけだと評価がしにくい感じだった。


緊迫感のあった先勝の終わりとは様相を変えて、無茶苦茶で破綻した学園から離れる友達とやり残したことがあるからと居残る舞衣の別れのシーンという落ち着いた出だし。


この後の舞衣の行動は成り行きまかせというか、舞衣自身が既にもう目的を見失いつつあるので特別に行動らしいこともせず、凪の誘導のままに黒曜の君と会う展開に。


一方動きのあったのは静留となつきの方。
なつきのためにと暴走する静留を止める意志のなつき。静留を止めるには静留の思いを受け止めるしかないけれど、それを受け入れられないなつきには静留を倒して止めるしかないが、なつきには静留に勝てる算段はなく負ける覚悟でその後のことを舞衣に託して戦いに挑むという形。


と、どうなるのかな、静留がなつきを倒したら、静留が思い人を自らだし、なつきが静留を倒したらなつき自身が消えてしまう。
あ、いずれにしてもなつきは倒されるか消えるしかない運命で消えゆくことは決定事項なのか。


やはりなつきを自分のものにできないなら倒すしかないと静留は選択。安珍清姫みたいな展開で、その通りに鐘がっていうかそのは捻ってベルになってたり。ここでニヤリとするひとはどの程度居るんだろう?


結局なつきが静留を博愛がためして、隙を産みその間になつきが勝つみたいな感じで、二人とも消失みたいな。両方ともお互いが思い人って事だったのかな。


一方ではロボ子と命が対決。


その間に舞衣は凪と共に地下へ。
そこで柱の話が出るけれど、一本多いとかなんとか、設定の詮索みたいのは止めるけど、やっぱり正規のヒメじゃなかったけど、アリッサの会長が消滅したことで人柱は立ったという所かな。
結局あれって12人のヒメが戦って最後の一人になったとき、って事より、何人でも戦って、十一本人柱が立ったら扉が開くってことと解釈した方がすっきりするかも。

そんなわけで、なつきと静留の消失で柱が11本立ったので扉が開く。
本来は生き残ったヒメが水晶の姫として、核になって世界を守るみたいなことだったけど、今度の祭りは行きは残った姫を本当に黒曜の君と婚姻して新しい世界を作ろうみたいな意図らしい。


そこへ命も到着、アリッサのせいで展開が狂ってきたなあと言うところなのかな。本来なら愛してるって命を利用してたけど、命は舞衣に倒されて舞衣が生き残るって筋書きだったのかなと。


さてどうなるかと言うところで次回最終回。


気になったのは、神崎が命と揃いの玉が光って心臓が、みたいなことの意味とか、身体は変れど存続してきた黒曜の君の意図というか目的ってなんだろうとか、本当に黒曜の君なのかなとか、不思議なところは色々とあるけど。


あとは、この世界はダメだから壊そうみたいなこと。


従来の物語の場合は、悪人がそう言った場合、観客側はそんなことない、という形で受け止めるはずだったけど、今の観客の状態だと、一緒に頷くって形になっちゃうなあと、いう悲しさみたいな。


とはいえ、作中で、この世界はダメだ、という具体的な根拠が上がっていないってところがどうかと。
つか、姫同士が戦い合うって言うことの醜さを、この世界がダメって根拠だと、それは通用しないっていうか、そりゃそっちが提示した条件で、それを持って世界はダメってのは筋違いだし。
結局世界がダメという根拠は具体的には上げられてない。


と同時に、そんなことはない、せかいはまだまだ捨てたもんじゃないと、神崎の思想を否定する事の出来るエピソードとか表現も作中はしていない。


人間ドラマ、というかたちでは成立できないくらい作中の人間が表現できてない、というか、見ていて登場人物がそれぞれ本当に自分のことしか考えていない。


舞衣にしても、結構人の気持ちがわかる的な人物でありそうな感じに思えたけど、結局自分の気持ちしか見ていない。病弱な弟思い、みたいなのも結局弟の気持ちを考えることもなく(だからそこ弟にとっては姉の思いが負担だったみたいな事にもなったわけだし)命に対しても結局ただ一緒にいると楽しいペットでしかなくて、いざ弟を倒したみたいな情況に陥ったとき、命の思いも推し量ることは出来なかったと。


という感じで登場人物が誰も自分しか見ていない。、自分の気持ちに忠実でしかない、自己追求型というのが、怖ろしいというか、新しいというか、今の人間に合ってるというか、現実的なんだろうな、と。


そしてまた意図的だろうけど作り手が世界観を狭く設定してるというか、事故が起きても警察はさんかしないとか、物語世界がことごとく完結していて、物語自体が社会性に乏しいというか、現実的な社会のあり方を否定して導入してない物語、というところが、やっぱり怖ろしいというか、今風でそんないびつさが逆に物語としてのリアリティーなのかなとか思ったりして。


観客が現実的に社会性の欠落状態に陥っているのかも。


別に欠落していたって生きていけるっ事だろうし、それと同時に失っていくものってのもあるんだろうなと。
例えば思いやりとか、優しさとか。
そういう意味では舞-HiMEはかなりドライな物語で人間ドラマなんてかけらもない話だったんだろうな、みたいな事を思ったり。