蟲師

今回の話はあんまり元の着想が無かったよね。瑞歯と言う老人が長生きしてもう一度歯が生えるみたいな逸話はあったけど。


と、実は原作に目を通していて、なんかどこかの田舎で畑が豊作で美しかったから、ってのが発想源だったみたいなことが書いてあった。
それだけでこうしてちゃんと物語を発案する能力は素晴しいなあと感じたデスヨ。
全体的な作品を見て、個人的に面白いかはともかく、ありがちな手癖てでは作れない作風なのは優れてると思う。


変な作家に目を向けた批評もどきは止めて作品を見てみると、飢饉の時に種をまけば豊作になるけど人が一人死ぬみたいな行為をするかどうか悩んだみたいなことに関係する話。


つーかそういう事への逡巡を書くのが目的じゃなし、つかそういう方向への興味はあまりない作家というか、感情的なことを坦々と描くのが作風みたいだし。


自分には、話の核としては、なんだかんだ言って生きたい祭主の気持ち、を見いだすのに面白味を感じるけれどそのへんも坦々としていて、まあそれが味だし、逆に押さえたからこそ際だつ、とも受取ることは出来るけど、自分としてはもうちっと違う論法で迫って欲しいと思っちゃうんだけどね。