ウィッチブレイド

ゴンゾの中ではなかなか上手く行った作品の方だと思うけど、最後があまり良くなかったかな。
真逆にソルティレイは途中がヨレヨレだったけど最後のまとめ方が良かったのでなかなかの良作になったと思うんだけど。


最終話、色々の出来事が一つに結実していく、んだけど、どうも散漫。
最終的なトラブルを集めてそれを解決するという形で物語をまとめようとしたのはわかるんだけど、それに振り回されて本質を見失って締まっていた感じ。


マリアも敵という形だったり、ウイッチブレイドを倒そうと集まってくるエクスコンが仮想敵になったりしてはいるんだけど、エクスコンの方は敵と思って終結してきているわけじゃなくて母親を求めるような形で集まってきたんだよというのもなんか釈然としないし、ていうかどうでもいい事だったんだけど(世界の脅威という出来事にはなっていて話を落ち着かせる要素にはなるけどさ)


マリアの方も、要するに最初は幼児のように言うことは聞かないけど、目覚めたら、冷静で有能になって、慕っていたおじいさまというのが自分に興味がないと知ったら捨てられる前に殺して、組織を乗っ取る役にしたら面白いだろうという発想だけで進めた感じだし、実際目覚めた以降マリアの目的とか動機が見えなかったし。


結局最後は雅音に倒されるけど、そこで母親を見ちゃったりして、自分の死に場所を見つけようとしていたとでもいうような感じに見えたり。


とか色々あるんだけど、この物語の物事の本質は、最後には、生き延びるためにウィッチブレイドが梨穂子に取憑くのを、雅音が命を賭けても阻止してウィッチブレイドと共に消滅するための戦い、だと思うんだけど、マリアやエクスコンの存在によってそれを見失っちゃったんじゃないかなと思う。

本当なら、雅音がもうダメで、梨穂子に移動しようとするウィッチブレイドを雅音が押さえつけてそのまま消滅みたいな表現をしないと、とか、最後の石は雅音の形見なんだろうけど、あの辺例えは振ってくるのはウィッチブレイドの石なんだけど、梨穂子の手の中で割れて中から雅音の石だったら、ちゃんとウィッチブレイドの意志を雅音が阻止したという形になるんだけど、とか。


なんか最後は見失っちゃったなあという感じがしました。
母性というのがテーマだと思うけど、解釈し切れていなかったという印象。ウィッチブレイドにはウィッチブレイドなりの母性があって、雅音の梨穂子を守りたいという母性と競合して、雅音の人間的な母性の方が優って勝つみたいな構図があったらもっとわかりやすく面白くも感動できたんじゃないかなと思いました。