天元突破グレンラガン

最終回、終わったねー、盛上がらなかったなあーという印象。


演出が下手とか言う以前に物語に構造的欠陥があったんじゃないかなあ。


初めは後ろ向きでウジウジするタイプのシモンだったけど、カミナによって自信がついたり迷いがないキャラになったんだけど、どんな苦境に追い込まれても、不安になったり弱気になったりしないので、見ている方は盛上がらないこと盛上がらないこと。
全然ハラハラしないんだよね。
まあシモンはそういうキャラだから迷わないとしても、代わりに脇役が不安になるとか言う手段もあるんだけれど
「シモンならやってくれるわ」
「おう任せたぜシモン!」
という調子でシモンのイケイケに同調しちゃっていて、ピンチになっても、ピンチじゃない感じで観客としては盛り上がれなかったなあと。


そういう負の気持ちは見ていてストレスになるので排除する選択も有りだけれどそうなるとスパイスが足りないなあって感じ。
NG騎士 ラムネ&40なんかも、ラムネスはイケイケだったけど、情況に応じてウジウジしてたなあ、なんて事を思い出しました。


後は敵役があんまり魅力が出せてなかったかなあ。話を面白くするのは魅力的な敵役なんだけど不在に近い情況だったじゃないですか。
螺旋王はまあまあ、ヴィラルは結構ライバルで頑張ってたけど、その辺片づいたら、ニアが仮想敵になるし最終的には11次元人って、どう感情移入ろと、というような相手だし。
それによく考えると11次元人とかって、クレバーで上から見ているような言動だけど、やってる行為は暴力で、全然知的じゃない感じで説得力も脅威も感じなかったかな。
戦争反対って言いながら銃を撃っているような、それだから螺旋族は滅ぼさねばならないのだ、とか言ってるけど、お前も十分野蛮じゃないかよ、みたいな。


話を通して一番印象に残ったのは、アネさんを殺されて砂丘か砂浜で「ちきしょう!」って言いながら悔し涙を流すヴィラルの姿が一番心に響いたと言うものなんだかなあと。
思えばアレだけ禍根をこのしている相手と共闘する事になるんだから、相当の和解の儀式が必要だったと思うけど、思い当たらないんだよなあ。


そう言えば、この話、70年代、80年代、90年代のアニメの作風でみたいな話じゃなかったっけ、シモンとカミナの頃は熱血ロボット風、ニア登場はOVA全盛の美少女アニメの気風、最後はエバ風みたいなことで期待していたんだけど……11次元人の登場とかインナーワールドみたいなところがエバ風って事なのかな。


どれも越えてないかなあ、まだトップ2の作風の方が時代のテイストは変わっているんだなあという事を感じられて面白味があったかな。
元々期待が大きすぎて失望した部分が多いので、それを差し引けば良くやっていた方だとは感じます。