十二国記

三ヶ所同時進行で、元々わかりにくいけど、今週の話は、それ以前の問題で、言いたいことが整理されていなくて、わかりにくくなってた。脚本グダグダ、というか、原作で丁寧に書いていることを、性急にやるだけかいつまんで追ってみた結果という感じだった。
一番分かり易いところは、わがまま元姫祥瓊とネズミの楽俊のパート。
泥棒の罪を被せられたけれど、旅券の陽子の裏書きが効いて、すぐに釈放。王妃の財宝泥棒として捕まった祥瓊は、腐った役人共が上手いことを言って財宝を手放せば無かったことにしてやると言いだし、財宝をワイロに渡すことで釈放される。
世の中の腐ったこととか、安宿で雑魚寝するとしたら、今着ている絹の服では恥ずかしい、粗末な服の方がいいとか、面白いような、わかるような感じで興味深かった。
踊って唄ってばかりで、世を知ろうとしなかった彼女のことを、楽俊が、姫として知る責任があった、そして、父親に提言するとか、責任を果たさなかった結果だと諭す。なるほど、楽俊がその役をするのには丁度いいし、楽俊のキャラがふさわしいだろう。
陽子のほうは、頼った人物が、謀反に荷担しているかもと知って、探る、表現がグダグダ、使い魔に追わせて、怪しい人物を追うこととなったと言うことだけれど、こうも交錯した展開でやられると何が起こったか付いていけなくなる人もいるだろう。
鈴のほうはすごく悲惨。舟に乗っていて、知り合った少年が、目が見えなくなってきた、とい言うところで終わったと思ったんだけど、気が付けば、医者に見せてやるよといいながら、浅野に背負わせてどこかを歩いている、物語としてどこへ向かっているかわからない。
表現としてかなり重要な事柄があったはず。鈴が使えていた仙女が、なぜ鈴に辛く当たったか、と言うことを考える下りがある。自分が恐いかと仙女が尋ねれば、従者は誰しも本心では恐いと思っているだろうに、恐れから、そんなことはありませんお仕えします、というようなことを言う。そんな態度で接せられたら腹が立って、もっときつく、恐いだろうと、詰め寄る気持も判る、と言ったようなことがあったのだけれど、それを気づかせるエピソードが、駆足過ぎて伝わらない。きっと原作では、上手いように書かれてあったんじゃないかと思うが、時間がなくてあんな形になったか、脚本の読み込みが浅いのか、混乱して、出来事を書いてみるだけで精一杯になっていたように思えた。
そして、鈴が町で宿を取るために、目の見えない少年と浅野を残す。浅野は都合良くパニック障害発作みたいになって離れてしまい、目の見えない少年は浅野を追って、偉そうな役人の馬車にはね殺される。
浅野は役人の馬車に銃を手に乗り込み、少年を助けに駆け寄ったのは陽子だった。
鈴と陽子と浅野が繋がった!
なんだか、よくわからない展開は、鈴と陽子の接近を感づかせないためのミスリードっぽかった。